FreeBSDをサーバー利用するための設定内容をまとめます。具体的にはFEMPでWebサーバーを立てるための設定方法です。
レンタルサーバー・自宅サーバー設定・構築のヒントというサイトの最初にやっておきたいこと(FreeBSD編)を参考にセットアップしました。
OSのメンテナンス
さくらのVPSであればカスタムOSをデフォルト設定でインストール、Vultrなら用意されているOSのインスタンスを作成します。デスクトップ利用ではないのでGUIなどは不要です。
まずはパッチレベルをあげるため、freebsd-update
でセキュリティパッチを適用します。fetchでパッチをダウンロードしてinstallで適用です。
pkg update
してからfreebsd-update
したほうがいいかも。
1 | # pkg update |
ちなみにメジャーバージョンアップの時はこう。
1 | freebsd-update -r 12.0-RELEASE upgrade |
いずれもカーネルセキュリティレベルを上げている場合は-1までレベルダウンする必要があります。
そして今後もセキュリティアップデートを追いかける必要があるので、cronで毎朝3時に確認することにしましょう。crontab -e
で次のように設定します。
1 | 0 3 * * * /usr/sbin/freebsd-update cron |
cronオプションの振る舞いはfetchそのものです。実際にインストールはされません。fetchとの違いはエラーが出たりパッチがダウンロードされたときに、メール通知があるという点です。/etc/freebsd-update.conf
に送信先をMailToで指定することで任意のアドレスで受信できます。指定なしの場合はcrontabを設定したユーザー宛に通知が届きます。
1 | MailTo mail@address |
メールの設定はFreeBSDでsendmailを使ったメール送受信にまとめました。
ファイアウォールの設定
さて、この辺でbash
とvim
だけでも先にインストールしておきましょう。コマンドやら設定ファイルの編集やら、効率がだいぶ違ってきます。pkg upgrade
してリポジトリを更新してからインストールします。
で、ファイアウォール。必要なポートだけを開けるよう/usr/local/etc/ipfw.rules
にて設定しました。参考サイトのFreeBSDでファイアウォール(ipfw)の設定を丸パクリです。開いたポートは以下のとおり。
- ssh(20022)
- mail(25)
- http(80)
- dns(53)
- ntp(123)
- https(443)
再起動後にファイアウォールが有効になるように/etc/rc.conf
の設定をします。
1 | firewall_enable="YES" |
まだ再起動しちゃダメだよ。SSH設定を書き換えてからね。
SSHの設定
さくらのVPSにしろVultrにしろWebブラウザによるコンソール接続が可能ですが、ターミナルからの接続もできるようにします。ただしrootでのssh接続は危ないのでssh接続用ユーザーと認証鍵を作ります。
adduser
で接続用ユーザーを作り、~/.ssh/authorized_key
ファイルに認証鍵を登録したら、/etc/ssh/sshd_config
にて以下のような設定を。
1 | Port 20022 # 接続ポートを標準外にすることで攻撃されにくくします |
これらコメントアウトされているオプションを有効化し、適宜値を書き換えたらFreeBSDサーバーを再起動します。なお、現在はSSH1接続は廃止されたためProtocol 2指定は不要になりました。
1 | # shutdown -r now |
ちなみに接続ポートが標準外になると次のようにポート指定をしてssh接続する必要があります。
1 | $ ssh general_user@xxx.vs.sakura.ne.jp -p 20022 |
ntpの設定
/etc/ntp.conf
中の参照先NTPサーバーを書き換えます。もともと指定されていた0.freebsd.pool.ntp.orgをコメントアウトして、日本にある適当なサーバーを指定します。
1 | # pool 0.freebsd.pool.ntp.org iburst |
以前はdriftfile
というNTPサーバーとの時刻差分の計算結果を書き込んでおくファイルの設定もしていましたが、デフォルトで/var/db/ntpd.drift
を参照するようなので設定を省略しています。
この後、ntpデーモンが自動起動されるように、/etc/rc.conf
に以下の内容を追記します。
1 | ntpd_enable="YES" |
デーモン起動前にタイムゾーンを正しく設定しておきましょう。
不要プロセスの停止
ps aux
でプロセス表示すると、仮想コンソールプロセスが動作してしまっているので/etc/ttys
にてttyv1からttyv7までをoffに設定変更後、仮想コンソールを再起動します。
1 | kill -HUP 1 |
ここまで準備しておけば、リモートでいろいろ環境構築できるようになります。
ここにApacheなりNginxなりをインストールすればWebサーバーとして使えるようになりますよ。
不要な一時ファイルの削除
デフォルトでは/tmpディレクトリ下の一時ファイルは削除されません。/etc/periodic.conf
で以下の設定をすることで自動削除されるようになります。
1 | daily_clean_tmps_enable="YES" |
これでデフォルトでは/tmpディレクトリ下の3日以上前のファイルが削除されるようになります。cronの設定次第ですが、多分毎日早朝。
詳しくはFreeBSDの定期実行コマンドで一時ファイルを削除するにまとめておきました。
スワップファイルの設定
Vultrみたいにあらかじめ用意されているOSを使う時など、スワップパーティションが設定されていないので、お金をケチってメモリの少ないプランでWordPressを動かしているとMySQLがハングアップすることがあります。こうなるとMySQLを再起動するまでNginxが500エラーを吐いてサイトへのアクセスができなくなってしまいます。
そこで、足りないメモリを補うためにスワップファイルを設定しておきましょう。日本語のハンドブック情報は古いのでオリジナル版のFreeBSDハンドブック情報を当たります。
Raspberry Piのインストールにも使ったddを使ってスワップファイルを作成します。
1 | # dd if=/dev/zero of=/usr/swap bs=1m count=1024 |
入力デバイスの/dev/zeroはnull文字を出力するデバイスで、ブロックサイズ1MBを1024個分/usr/swapに書き込んだらパーミッションを600に変更します。
1 | chmod 600 /usr/swap |
用意ができたら/etc/fstab
ファイルに設定します。
1 | md99 none swap sw,file=/usr/swap,late 0 0 |
これでmd99というデバイスにスワップファイルとして/usr/swapが割り当てられました。再起動せずにこれを有効化するためにはswapon
します。
1 | swapon -aL |
しばらく使っているとスワップが始まります。利用状況を確認するにはswapinfo
を使います。
1 | $ swapinfo |
当初メモリ512MBで2GBのスワップを使っていた頃の使用率はだいたい20%前後でした。