中国語と並行してロシア語もやってみます。これまた去年初めて行ったВладивостокが楽しすぎたのが動機です。
NHKの「まいにちロシア語」は週の前半三日が今回勉強する入門編、後半二日が応用編となっています。一方「まいにち中国語」は週のうち四日で学習し、残り一日が週の復習。
ということは一日あたり二コマこなせば平日5日でも成立しますね!
副読本は「ロシア語のしくみ」。以前ロシア語学習の取っ掛かりとして買ったものです。
2022年4月から東京外国語大学のオープンキャンパスでロシア語初級講座を履修はじめました。少しづつ加筆修正してゆきます。
キリル文字 – Кириллица
ロシアのアルファベットであるキリル文字は音のない記号を含めて33文字。大文字と小文字があるものの形の違うものはほとんどなく、渡航前に一通り覚えていました。
ラテン文字アルファベットとの対応がわかると、それなりに読めて英単語に近いものは意味も推測できるので楽しさ倍増ですよ。もちろん発音も少し違ったり、そもそも全く違う単語のほうが多いとは思いますが。
このテキストでは覚えやすい順に紹介しているようです。
母音 – гласный
ロシア語の母音はヤ行も含む十文字。そのほとんどが日本語の発音と同じなので、見慣れない字形とうまく結びつけることができればすぐに覚えることができます。…活字体ならね。筆記体はヤバい。
発音はローマ字のアルファベットで[]内に表示してみました。さらに()内に記載しているのは弱化した際の発音。母音の弱化については後述します。
- А а / А а [a]
日本語の「ア」と同じ。字形もラテン文字アルファベットと同じで覚えやすい - Ы ы / Ы ы [i]
舌を後ろに引いて「イ」とあるけれど、Twitterか何かで見たペンを咥えて「ヰ」と発声というのがわかりやすかった - У у / У у [u]
日本語の「ウ」と同じ。字形がラテン文字アルファベットは違うので注意! - Э э / Э э [e]
日本語の「エ」と同じ。字形がラテン文字アルファベットは違うので注意!「Е е」は違う音です - О о / О о [o(a)]
日本語の「オ」と同じ。字形もラテン文字アルファベットと同じで覚えやすい - Я я / Я я [ya(i)]
日本語の「ヤ」と同じ。てかこの音も母音 - И и / И и [i]
日本語の「イ」と同じ。字形がラテン文字アルファベットは違うので注意!筆記体に至っては誤解すること間違いなし - Ю ю / Ю ю [yu]
唇をすぼめて突き出し気味に「ユ」と発声 - Е е / Е е [ye(i)]
この字形でヤ行のエ、すなわち「ヱ」と発声 - Ё ё / Ё ё [yo]
日本語の「ヨ」と同じ。この音は必ずアクセントがある
ロシア語の音には硬軟の区別があって、前半1から5の音が硬母音、後半6から10の音が軟母音になります。具体的にどんな違いがあるのかは、追い追い勉強するようです。
子音 – согласный
続いて子音。ほとんどはラテン文字アルファベットと同じ発音ですが、たまに字形が異なるので混乱しちゃう。
歴史的に”B”という文字の音が変わってきたとか、ギリシア文字アルファベットとの比較をするとわかりやすいとかいろいろあります。
- Б б / Б б [b]
「バ」行の子音。”B”の音が”V”だったときにこの文字ができたとか。筆記体の小文字は筆順が変わっちゃう - В в / В в [v]
英語の”V”音。違和感はあるけど由緒正しい読み(?) - Г г / Г г [g]
「ガ」行の子音。ギリシア文字の「Γ」。筆記体がラテン文字の”T”みたい。小文字に至ってはなんだこれ?って感じ - Д д / Д д [d]
「ダ」「デ」「ド」の子音。ギリシア文字の「Δ」。筆記体の方が馴染みのある形だなと油断したら小文字トラップ発動! - З з / З з [z]
「ザ」「ゼ」「ゾ」の子音。アラビア数字がなかった頃の字形らしく「3」との判別は考慮されていない模様 - К к / К к [k]
「カ」行の子音。ギリシア文字の「κ」ぽい - Л л / Л л [l]
舌先を上顎に付けて発する有声音。英語の”L”音。語末では「ュ」に聞こえる。ギリシア文字の「Λ」。筆記体はまさにこれ - М м / М м [m]
「マ」行の子音。筆記体の小文字はギリシア文字の「μ」だね - Н н / Н н [n]
「ナ」行の子音。ラテン文字の”N”のほうが筆記体っぽく変形したものらしい - П п / П п [p]
「パ」行の子音。ギリシア文字の「Π」。筆記体の大文字はいいとして小文字! - Р р / Р р [r]
巻き舌で発声する有声音。ロシア語っぽい。「ラ」の子音。ギリシア文字の「ρ」 - С с / С с [s]
「サ」「ス」「セ」「ソ」の子音 - Т т / Т т [t]
「タ」「テ」「ト」の子音。この文字が一番意味不明な筆記体。なんでそうなる!? - Ф ф / Ф ф [f]
英語の”f”音。ギリシア文字の「Φ」 - Й й / Й й [y]
「ヤ」「ユ」「ヨ」の子音。иと違って子音なんだよね。母音の後ろに現れる。筆記体は短音記号краткий знакのおかげで誤解しづらいかも? - Ц ц / Ц ц [ts]
「ツ」の子音。筆記体がИと似ていて紛らわしい - Ч ч / Ч ч [ch]
「チャ」「チ」「チュ」「チョ」の子音。Цと比べたとき、活字体よりも筆記体の方が判別しやすいかな - Х х / Х х [kh]
口の後ろから出す「ハ」行のような音。日本語の「ハ」行の音はないらしく中国語の「ㄏ」に近い - Ш ш / Ш ш [sh]
口を縦に開いて発声する「シュ」。口の中を広くして発音 - Щ щ / Щ щ [sch]
口を横に開いて発声する「シ」。口の中を狭くして発音。活字体も筆記体も区別しづらいШとЩ。そして音も… - Ж ж / Ж ж [zh]
Шの有声音の「ジュ」
混乱さえしなければ意外と簡単な気がする。
以上がキリル文字33字中の31字です。残りの2文字は音を持たない記号で詳細はロシア語の音の変化に書きます。
力点 – ударение
ロシア語の単語にはアクセントが一音節あって、このアクセントのことをударениеと言います。この母音を持つ音節はやや長く、強く、はっきりと発音します。音程の高低ではありません。
音節がふたつ以上ある場合は、ударениеのある音節以外を短く、弱く、あいまいに読みます。ударениеの位置は覚えるしかないものの、これは他の言語も同じ。
この弱く読む音節の母音は音が変わることがあり、非ударение音節の「о」音があいまいな「ア」音に、「е」「я」音は弱い「イ」音になります。これらを母音の弱化と言います。