これまで形容詞や形容詞的な働きをする代名詞などの変化について勉強してきました。いろいろ変化しましたが、修飾する名詞の性や数に応じて変化しました。
名詞の前置詞格
英語では前置詞を置くことで名詞を使った場所や部位の表現ができました。ロシア語でも同様…と言いたいところですが、ちょっと違う。
前置詞も必要なんですが、前置詞を伴う名詞は原形(ロシア語では主格と言う)のままではダメです。
複数形の変化のところで名詞の変化をやりましたが、単数/複数で変化した名詞はその役割に応じてさらに変化します。
名詞の単数前置詞格形への変化は次のとおり。
男性名詞 | 子音 → 子音+е | -й → -е | -ий → -ии | -ь → -е |
---|---|---|---|---|
女性名詞 | -а → -е | -я → -е | -ия → -ии | -ь → -и |
中性名詞 | -о → -е | -е → -е | -ие → -ии | -мя → -мени |
前置詞”наとв“
今回は英語で言う”on”と”in”について学びます。前述のとおり前置詞格に変化した名詞が前置詞を伴って、場所や部位を指し示します。
「~の上に」の”на“
「~の上に」という訳は代表例です。
Пиво на столе.
男性名詞столは上記ルールに従って語尾にеを伴うとともにударениеが移動してしまいました。
「~の中に」の”в“
続いて「〜の中に」という表現です。
Пиво в пакете.
同じく男性名詞のпакетもまたルールに従って語尾にеが付きました。
さて、前置詞”в”について注意点がひとつ。普通”в”の音は”v”音ですが、直後の単語が無声子音で始まるときは”f”音になります。具体的にはп,ф,к,т,ш,сの6音。
従って上記のв пивоは、”f_piva”という発音になります。
前置詞の発音
最後に前置詞の発音についてですが、いずれも直後の単語との間にポーズを置かず、ひと続きで発音します。
前述の”в”音の変化もこれが理由です。
何れにしても発声時はともかく、聞き取りの際はちゃんとわかっていないと元の単語がわからないかもね。