香港往路の機内でオリエント急行殺人事件を観ました。羽田~香港間は、長いものでなければ往路は映画を2本観ることができます。
ジャック・スパロウが出ているのに全く気が付きませんでした。。。
映画は楽しかった
原作を読んだことがなかったのですが、オチだけは知っていました。ポッドキャスト「さばラジオ」で聴いたんですが、有名らしいですね。
後で読んだ原作とは結構演出が違いましたね。まぁメディアも違うし時代も違うから、そのままというわけにはいかないか。
旅行好きとしてはオリエント急行という舞台装置だけでご飯3杯いける感じですが、豪華なセットがよかった。雪の中を疾走する機関車とか超かっこいいよ!
あとポアロの異常なまでの公正感とでもいうべき言動ね。この表現のおかげで結末がより感動的になった感じ。この映画のポアロもさほど若くはないですが、この事件を経て人間的に成長したような描かれ方です。
事件の背景と合わさることで泣かせる演出になっています。…年とって涙腺が緩くなっただけかも。
原作を読んでみた
というわけで香港国際空港に降りた途端にKindleで原作を買ってしまいました。
いくつか翻訳違いがあったけれど、クリスティ文庫の「オリエント急行の殺人」。作者の名前をシリーズタイトルにしてるってことは自信作なんだろうと思って。
原書は1934年のもので、クリスティ文庫の翻訳は2011年の新訳版。21世紀になっても「ねえ、あなた」とか「友よ」とか呼びかけるのね。まぁ20世紀初め頃の雰囲気といえばそうなのかもしれないけれど。
子供のころから登場人物の多い物語は苦手で、特に外国人となると誰が誰やら。。。というのは大人になっても変わらず。映像の力ってすごいね!
鉄道会社の重役のブークというのが出てくるんですが、映画と違って彼が物語の進行役って感じ。ただ、単純で結論を急ぐ様子が「あー、こんなやつ職場にもいるなー」とその姿がダブって読んでてイラッとしたり。
そんなブークも結末ではいい役回りを貰いました。
アガサとかポアロとか
戦前だしねー、今も腹の中ではどうだかわからないけれど、ヨーロッパ人が他国の人をあまりよく思っていない感じの表現が多々見受けられます。
新興国のアメリカ人はチャラく、イタリア人はマフィアで、イギリス人は陰気な堅物だそうですよ。そんな描写をするアガサ・クリスティはイギリス人なわけですけれども。
それにしてもなんで主人公のポアロはフランス語を喋るベルギー人なんでしょうね?